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松山地裁原告意見陳述要旨(原告重見幸春)
1 今回の訴えの原因となったリストラの特質は、50歳以上の労働者に一旦NTTを退職させ、基本賃金を30%もカットするというコスト削減「合理化」の実行であります、その手法は、1司し地域で同じ・仕事を希望する者には、自らNTTを退職させ、再雇用による賃金のカットに応じさせるというものです。
30%もの賃金のカットの負担は、労働者にとって並たいていのものではなく普通では到底応じられないものです。しかし、「応じなければ今の仕事はない」、「全国どこにでも配置転換させられる」との条件を突きつけられて、多くの労働者は「これでは選べんわ」、「残りたかったが家族のことを考えると」、「悔しいけど仕方ない」と泣く泣く退職・再雇用に応じていきました、30%もの賃金のカットにはどうしても応じられないと、NTTに残る意向を示した労働者に対しては、「あなたの仕事は無い」、「あなたに高いスキルがあるのか」、「選べば全国配転だ」と、直接の退職強要が行なわれました。対象者の90数%を超える者が再雇用を選んだという結果は、それが普通の選択でなかったことを如実に示しています。多くの祉員に退職の「同意」を行なわせるためには、同意しなかった者への見せしめが必要でした。私達への配置転換はまさにその見せしめであり、雇用選択で退職・再雇用に応じなかった事を唯一の理由として行われたものです。
こうしたやり方に、職場では急激に不安が広がりました。職場で行なったアンーケートに寄せられた一人の労働者の声を紹介致します。「私の家族は5人です。長男は高校3年、長女は高校1年、次女は中学1年です、次女が高校を卒業するまで後6年、次女には夢がありそれを実現するために大学へ行くとなると後10年、子供の教育費に2,000万円から3,000万円のお金がかかります。先日生命保険を解約し、貯金を全でつき込んでボーナス払いの住宅ローンを返済したので貯金はゼロ円。この状態で20%から30%の賃金カットとなると・・・・怒り」この方は、当時年齢が47歳で、雇用選択を前にした家族の不安をリアルに訴えられています。
私の元の職場でも、先輩や同僚が皆退職していきました。誰もが望まぬ退職、そして賃
金カットでしたが、・全国配転はあまりにも厳しい条件で、選びようの無い選択でした。私にとっても全国配転は厳しい条性でしたが、こうした強要による退職にはどうしても応じることは出来ませんでした。
今回のアウトソーシングは事実上の会社分割です。分割では労働条件を承継するというルールがあるため、NTTは意図的にそれをかいくぐって、退職の「同意」を行なわせ、再雇用を選ばせたのです。
NTTに残らせないためには、応じない者に対する見せしめが不可欠でした。私達が無効の確認を求めている配置転換は、そのために行なわれた見せしめそのものなのです。
2 私は電電公杜に入社し、民営化以降もNTT社員としての自負と気概を持って働いてまいりました。今回の配置転換まで、技術畑一筋で31年間を過ごし、しかもその大半は屋外の通信設備、電柱や通信ケーブルの設計・施工に関する業務で、自他ともに認める通信設備建設業務の専門家でした。配置転換が決まってからも、多くの先輩、同僚、関連会社の知人から、率直に私のスキルや経験を惜しむ言葉を多く頂きました。私自身、一筋に勤めてきた仕事に誇りと自信を強く感じてきており、配置転換によりそれが奪われたことがなにより残念でなりません。
また、そうした長年にわたっての経歴の中で培われてきた、職場の先輩、同僚や、地域の知人との人間関係は私にとってかけがえの無いもので、こうした大切なものを奪われたことも大変辛いことです。
赴任後の業務内容は、小規模ユーザーを対象とする外販営業で、こうした営業であれば地元愛媛でも十分対応可能です。わざわざ遠隔地の名古屋まで配置転換を行い従事させるべきものではありません。しかも、私が従来行なってきた業務の半分は現存でもNTT愛媛支店で行なわれており、49歳以下の社員は引き続きそこに従事しています。5月の「構造改革」時には、人員の補充も行なわれました。NTTに残っても仕事は無いとの言い分は全く成り立ちません。
今回の配置転換は、こうした点からみても明らかに必要の無いものです。このように理由も不当で道理の無い配置転換は、労働者としての、人間としての私の尊巌を否定する
もので本当に許せないものです。
民営化以降、通信事業にかかわる地域サービの切捨ては急速に進み、本リストラは更にそれを加速しようとしています。新しく設けられた。地域子会社では、NTTからの毎年の委託費削減が至上命令とされており、四国会社では2年先にNTT受託業務比率を全体の50%にするとまでしています。こうした状況が地域の公共通信にとって大きな痛手とたることは確実です。こうしたNTTのコスト削減施策が、当該の労働者の問題に留まらず、広く地域利用者サービスにかかわることであることも見逃すことはできません。
政府が株式の46%を保有する公企業NTTは、事業の円滑な推進やユニバーサルサービス確保向上のみならず、非常に大きな社会的影響力を持っています。大企業NTTのこうした役割をふまえて、当裁判所がこのNTTの不当なやり方に対して明確な判断を下し、私達を地元の職場に戻す判決を出して頂くようお願いして私の陳述を終わります。
以 上
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