附 帯 控 訴 状
2007年(平成19年)2月5日
札幌高等裁判所第3民事部 御中
附帯控訴人ら訴訟代理人
弁護士 佐 藤 哲 之
弁護士 佐 藤 博 文
弁護士 渡 辺 達 生
弁護士 奥 泉 尚 洋
弁護士 竹 之 内 洋 人
弁護士 竹 中 雅 史
弁護士 齋 藤
耕
当事者の表示 ―別紙当事者目録記載のとおり
附帯控訴の訴訟物の価額 金 12,000,000円
貼 用 印 紙 額 金 84,000円
上記当事者間の御庁平成18年(ネ)第314号配転無効確認等請求控訴事件について附帯控訴人らは次のとおり附帯控訴を提起する。
第1 原判決の表示
1 被告は、原告馬場笑美子、原告阿部昭彦及び原告森博道に対し、それぞれ50万円及びこれに
対する平成14年10月5日から支払済みまで各年5分の割合による金員を支払え。
2 被告は、原告木内務に対し50万円及び原告石黒孝雄に対し100万円並びにこれに対する平成
15年1月21にから支払済みまで各年5分の割合による金員を支払え。
3 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
4 訴訟費用は、これを5分し、その1を被告のその余を原告らの負担とする。
5 この判決は、第1、2項に限り仮に執行することが出来る。
第2 附帯控訴の趣旨
1 原判決のうち、附帯控訴人敗訴部分を取り消す。
2 原判決を次のとおり変更する。
⑴ 附帯被控訴人は、附帯控訴人馬場笑美子、附帯控訴人阿部昭彦及び附帯控訴人森博道に対し、
それぞれ300万円及びこれに対する平成14年10月5日から支払済みまで各年5分の割合に
よる金員を支払え。
⑵ 附帯被控訴人控訴人は、附帯控訴人木内務及び附帯控訴人石黒孝雄に対し、それぞれ300万
円並びにこれに対する平成15年1月21にから支払済みまで各年5分の割合による金員を支払
え。
3 訴訟費用は、第1,2審とも付帯被控訴人の負担とする。
との判決及び仮執行を求める。
第3 附帯控訴の理由
1、原判決の不十分さと問題点
⑴ 原判決の骨子
原判決は、附帯控訴人らに対してなされた本件配転命令には、いずれも、業務上の必要性がな
いことから権利濫用に該当するとした上で、本件配転による附帯控訴人らの「異動は、転居を伴
うもので、その家族関係に影響を及ぼすものであり、」これにより被控訴人らが「精神的苦痛を
被ったことは容易に推認することができる。」(例えば、原判決63頁)として、附帯控訴人石黒
を除く4名の精神的苦痛に対する慰謝料は金50万円が相当と認定した(附帯控訴人石黒に関し
ては、本件配転に、業務上の必要性が全く認められないことに加え、同人のみが道外への遠距離
異動であり、かつ、同人には配転障害事由としての介護の必要性が強く認められたことから同人
の精神的苦痛に対する慰謝料は、金100万円が相当と認定した(原判決87頁以下)。)。
⑵ 原判決の不十分さ
このように、原判決が、附帯控訴人それぞれについて、いずれも本件配転に業務上の必要性が
ないことから、本件は配転命令が、附帯被控訴人会社による権利の濫用に該当し、そのことによ
って附帯控訴人らが精神的苦痛を被ったことを認定した点は、正当である。
しかしながら、本件配転により附帯控訴人らが被った精神的苦痛は、原判決も認めるとおり、
50歳を超える高齢で、見ず知らずの土地に家族と離れ、単身赴任を行わざるを得ないものであ
るため、新生活に「不便を感じ、寂しい思いをしたであろうこと、自らの健康管理にも不安を覚
えたであろうことは容易に推認することができる」(例えば、原判決71頁)程の重大な不利益な
のであるから、慰謝料の金額として、附帯控訴人石黒に関しては金100万円、その他の附帯被
控訴人に関しては金50万円と評価したのは、あまりに低額であると言わざるを得ない。
⑶ 原判決の問題点
加えて、本件配転命令は、OS会社への転籍を拒否した訴外通信産業労働組合(以下、「通信
労組」という。)を嫌悪し、かつ、敵視した上で、通信労組の組合員である附帯控訴人らに対
する見せしめの意図に基づく差別的な不利益取り扱いであったということこそが、その本質であ
る。
従って、本件配転命令は、東亜ペイント最高裁判決及び原判決が判示するところの「不当な動
機、目的をもってなされた」配転であったと認定されるべきものであり、この点についての認定
・評価をしていない原判決には、本件配転命令のこのような本質を見抜くことができなかったと
いう問題点があった、と言わざるを得ない。
⑷ 差別的取り扱いに基づく精神的苦痛の正当な評価を!
そうすると、附帯控訴人らは、原判決が認定したような家族関係に影響を及ぼすといった事情に
よる精神的苦痛に加え、附帯被控訴人による差別的な不利益取り扱いによって、重大な精神的苦痛
を受けたと言うべきであるから、その精神的苦痛も含めて、附帯控訴人らの慰謝料を評価した場合
には、附帯控訴人らが主張するとおり、附帯控訴人それぞれにつき、金300万円をもって慰謝す
るべきものである。
2、附帯被控訴人による通信労組及び附帯控訴人らに対する差別的不利益取り扱い
⑴ 本件配転命令が、附帯控訴人らの所属する通信労組、及びその組合員である附帯控訴人を対象
にした「不当な動機、目的」でなされたものであること、すなわち、附帯被控訴人会社には、本
件大リストラ計画に反対していた通信労組を嫌悪し、また、敵視する露骨な意図(不当労働行為
意思)が、あったことについては、別途、準備書面⑵において、論じているので、本書面におい
ては、
その概略を述べるにとどめる。
⑵ 附帯被控訴人会社が、通信労組及び同組合に所属する被控訴人らに対し、明白な差別意識をもっ
ており、本件大リストラ計画発表後、これに反対する通信労組との団体交渉を誠実に行なうことな
く、大リストラを許容していたNTT労組とのみ交渉を行なっていたことや、本件配転命令におい
て、通信労組の組合員である被控訴人らに対し、差別的に業務上の必要性の無い「見せしめ」の配
転命令を行なったことは、明らに不当労働行為意思の現れであった。
本件附帯控訴人らを含め、通信労組及びそこに所属する組合員に対し、附帯被控訴人会社は、強
烈な差別意識を有しており、労使協調路線のもと、本件大リストラを会社と一緒になって推進して
いたNTT労組とは誠実な交渉を行なう一方で、本件大リストラに明白に反対をしていた通信労組
との間では、形だけの不誠実な団体交渉に終始していた。そして、実際の個々の労働者の配転命令
においても、附帯控訴人らに対し、見せしめの意図をもって、業務上の必要性の無い本件配転を命
じたものであって、東亜ペイント最高裁判決及び原判決が判示するところの「不当な動機、目的を
もってなされた」ことは明らかである。
以上
添 付 書 類
1、 付帯控訴状副本 1通
当 事 者 目 録
〒073-0000
北海道滝川市西町8丁目3-12
付帯控訴人(被控訴人・第一審原告) 馬 場 笑 美 子
〒077-0132
北海道増毛郡増毛町舎熊647-23
付帯控訴人(被控訴人・第一審原告) 阿 部 昭 彦
〒047-0156
北海道小樽市桜1-27-30
付帯控訴人(被控訴人・第一審原告) 森 博 道
〒065-0017
札幌市東区北17条東19丁目3-2-234
付帯控訴人(被控訴人・第一審原告) 木 内 務
〒059-1261
北海道苫小牧市ときわ町3丁目13―23
付帯控訴人(被控訴人・第一審原告) 石 黒 孝 雄
〒060-0042
札幌市中央区大通西12丁目 北海道合同法律事務所
TEL 011-231-1888
FAX 011-231-1785
上記付帯控訴人(被控訴人・第一審原告)ら代理人
弁 護 士 佐藤哲之
弁 護 士 佐藤博文
弁 護 士 渡辺達生
〒060-0042
札幌市中央区大通西13丁目4 公園通り法律事務所
TEL 011-222-2922
FAX 011-222-2933
上記付帯控訴人(被控訴人・第一審原告)ら代理人
弁 護 士 奥泉尚洋
弁 護 士 竹之内洋人
〒060-0042
札幌市中央区大通西14丁目 たかさき法律事務所(送達場所)
TEL 011-261-7738
FAX 011-261-7718
上記付帯控訴人(被控訴人・第一審原告)ら代理人
弁 護 士 竹中雅史
弁 護 士 齋藤 耕
〒160-0023
東京都新宿区西新宿3丁目19-2
付帯被控訴人(控訴人・第一審被告)
日本電信電話株式会社
同代表者代表取締役 高部豊彦
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