|
準 備 書 面 ⑴
(答 弁 書)
2007年(平成19年)2月5日
札幌高等裁判所第3民事部 御中
被控訴人ら訴訟代理人
弁護士 佐 藤 哲 之
弁護士 佐 藤 博 文
弁護士 渡 辺 達 生
弁護士 奥 泉 尚 洋
弁護士 竹 之 内 洋 人
弁護士 竹 中 雅 史
弁護士 齋 藤 耕
第1 控訴の趣旨に対する答弁
1 控訴人の控訴を棄却する
2 訴訟費用は、控訴人の負担とする
との判決を求める。
第2 被控訴人の主張の骨子
序 本書面においては、控訴人の控訴理由についての被控訴人からの反論骨子を述べる。
なお、被控訴人の主張及び控訴人の主張に対する反論の詳細のうち、総論的なものを、準備書面⑵において、
また、被控訴人の個別事情の関する主張・反論を準備書面⑶において、行なう。
また、被控訴人の主張及び控訴人の主張に対する反論は、引き続き、後日提出する準備書面においても、行な
う予定である。
1 原判決の結論とその正当性
⑴ 原判決は、結論において、本件での大リストラに基づく被控訴人5名の配転については、いずれもこれを無
効と判断し、5名のうち、石黒については、金100万円、その余4名の被控訴人については、金50万円の
損害賠償を認めたものである。
⑵ 被控訴人としては、後述する様に、原判決がその結論に至る理由について全てを首肯するものではないし、
また、認定した損害額についても不満があり、この点に関して、附帯控訴をするものであるが、いずれにして
も、原判決が、我が国を代表する巨大企業である控訴人会社が押し進めた本件大リストラによる被控訴人らへ
の配転を明確に無効であると断罪した点については、これを高く評価するものである。
⑶ もっとも、原判決においては、原審において、原告らが主張し ていた本件配転命令が年齢差別に当たるこ
とや原告らにおいては、勤務地や職種についての合意があったという主張等々をことごとく排除したことは、
被控訴人としては、到底、納得できないものである。
とりわけ、控訴人会社が、通信労組及び同組合に所属する被控 訴人らに対し、明白な差別意識をもってお
り、本件大リストラ計画発表後、これに反対する通信労組との団体交渉を誠実に行なうことなく、大リストラ
を許容していたNTT労組とのみ交渉を行なっていたことや、本件配転命令において、通信労組の組合員であ
る被控訴人らに対し、差別的に業務上の必要性の無い「見せしめ」の配転命令を行なったことは、明らに不当
労働行為意思の現れであったにもかかわらず、原判決が、この不当労働行為性を認定しなかった点は、本件の
本質を的確に捉えたものと言えず、極めて遺憾なものである。
2 被控訴人の主張の骨子
⑴ 本件配転命令は、「不当な動機、目的をもってなされた」ものである。
控訴人会社は、本件大リストラに明確に反対をしていた通信労組、及び、本件被控訴人らを含めた通信労組に
所属する組合員に対しては、強烈な差別意識を有しており、その結果、本件大リストラを控訴人会社と一体にな
って推進したNTT労組とは異なり通信労組との間では、不誠実な団体交渉に終始しただけでなく、被控訴人ら
に対し、見せしめの意図をもって、配転先や違職種勤務を命じており、東亜ペイント最高裁判決及び原判決が判
示するところの「不当な動機、目的をもってなされた」ことは明らかであった。
その意味で、原判決には、本件の違法配転の本質に迫ることは 出来なかったという重大な弱点を有している
が、他方で、原判決における権利の濫用の判断及びその前提としての事実認定は、常識に合致した極めて正当な
ものであった、と考えている。
そこで、被控訴人としては、控訴審においては、特に、この不当労働行為性についての主張・立証を行なう予
定であり、準備書面⑵において、被控訴人の主張を述べる。
⑵
控訴人による原判決批判は不的確である。
ところで、控訴人は、原判決は、一般に認められている判断基準(東亜ペイント最高裁判決)と同様な文言を
もって判断するとしておきながら、その判断過程をみるに、全く異なった内容をもって判断の枠組みとしており、
原判決は、東亜ペイント事件及び日産自動車村山工場事件で示された最高裁判所の判断枠組みを踏み外している
旨の批判を加えている。
しかし、控訴人の批判は、東亜ペイント事件及び日産自動車村山工場事件での最高裁の判断についての誤った理
解を前提とした原判決に対する批判にすぎず、全く説得力を欠いており、到底、原判決に対する的確な批判とはな
っていないものである。
この点についても、被控訴人として、準備書面⑵において、反論するものある。
⑶
被控訴人らの個別事情についての控訴人の主張の誤り
また、控訴人は、以上の様な東亜ペイント事件最高裁判決などについての誤った(あるいは自己に都合の良い)
理解を前提に、原判決の行なった各被控訴人に対する配転命令における業務の必要性などを縷々論じているが、そ
のいずれもが、業務の必要性があったことを裏付けようとする「為にする」主張に過ぎず、被控訴人らの配転先で
の具体的な業務の実態等に照らせば、原判決に正当に認定していた様に、被控訴人らにおいては、配転命令の前提 となる業務の必要性が全く存在していなかったことは明らかである。
この点も、準備書面⑶において、各被控訴人ごとに、反論・立証を行なう。
以上
|